低用量ピル(経口避妊薬)は、女性の卵巣でつくられるホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つが主成分で作られています。
最も確実で安全性の高い低用量ピル(経口避妊薬)により、「望まない妊娠」から自分自身を守ることができます。
女性ホルモンの作用を利用して、避妊だけではなく、月経周期の改善や貧血、子宮内膜症の改善や月経前症候群、生理痛の治療、ニキビや肌荒れの予防、卵巣がんや子宮体がんの予防にも用いられている薬です。
引用:http://shinsaibashi-ladies-clinic.jp/
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低用量ピルで月経周期が安定・月経前症候群の予防
低用量ピル(経口避妊薬)の服用で月経周期を安定させることで、女性の身体や心はとても安定した状態になります。
月経周期とは、生理が始まった日から、次の生理が始まる前の日までをいいます。
月経は、妊娠しなかったときに黄体ホルモン・卵胞ホルモンともに分泌量が減少して、不必要になった子宮内膜がはがれ落ちて、月経として血液と共に体外へ排出されます。
月経前は女性ホルモンの影響で、身も心も不安定になります。
月経前症候群(PMS)により、乳房の張りや痛み、乳首が敏感になる、頭痛、肩凝り、腰痛、下痢、吹き出物(ニキビ)、肌荒れなどの不快な症状がおこることが多いとされています。
過度のストレスや、深夜残業、睡眠不足、過度なダイエットによる体重の激減、激しい運動等、精神的または身体的に大きな負担がかかった場合には、体は身を守ろうとすることを優先し、生殖に関わる部分についての働きは後回しにしようとしてしまいます。
その結果、脳のホルモン中枢に異常が生じて、脳から卵巣への指令がうまくつたわらない結果となり、月経の周期が崩れてしまうことにつながるのです。
月経の周期を把握するのに役立つのが、基礎体温の測定です。
引用:https://kidona.rakuten.co.jp/
基礎体温とは、体を動かしていない最も安静な状態の体温です。
この基礎体温を、毎日同じ時間帯に測定することで、月経の時期や排卵の有無、体の状態を把握することができます。
また基礎体温は、生活のリズムや測り方によって変化してしまうデリケートなデータです。
睡眠時間が4時間以下の場合は、正確な基礎体温が計測されない可能性があります。
最低でも4~5時間以上の睡眠をとるように心がけましょう。
低用量ピル服用女性にみられる生理不順の原因は?
低用量ピル(経口避妊薬)を服用している女性の中でも、生理不順(月経困難症)に困って服用をしている女性もたくさんいます。
どうして規則的に月経が起こらなくなってしまうのか、その原因はいくつか考えられます。
引用:http://www.mochida.co.jp/
ストレス
ストレスを感じると交感神経と副交感神経のバランスは崩れてしまいます。
脳の視床下部は自律神経のいわば中枢です。
ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、視床下部が適切な指令を出せなくなり、女性ホルモンの分泌量に支障が生じてしまうことがあります。
慢性的なストレスを抱えている方は、まずはストレスを緩和するよう努力しましょう。
ストレスを抱えると、自律神経のバランスが乱れ、女性ホルモンの分泌が異常になります。
結果的に基礎体温が安定せずに、生理周期の乱れや、体調不良の原因にもなります。
無理なダイエット
無理なダイエットを行うと、体の免疫力が落ちるだけでなく、代謝機能も低下してしまいます。
栄養に偏りがある上に、体が必要とする必須栄養素まで不足してしまうので、体調が崩れやすくなり、基礎体温が安定しなくなってしまいます。
食事制限によるダイエットを行う場合には、食事の内容によく注意し、栄養不足や偏食に気を付けましょう。
体を冷やす
引用:https://mikokoroseitai.com/
冷えもまた基礎体温の乱れる原因のひとつだと言われています。
生理中だけでなく日頃からお腹や下半身を冷やさないように注意しましょう。
また体の内側から冷え性を治すためには、食事の内容にも気を配る必要があります。
体を温める効果があると言われている食材を積極的に取り入れて、体質改善を心がけるようにしましょう。
冷たい食べ物や飲み物はなるべく避けるようにして、体を内側から温めてくれる食べ物をたくさん摂るようにすることで、基礎体温の乱れは自然に改善されていきます。
ホルモン異常
卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、性腺刺激ホルモン(GnRH)の分泌が十分ではなく、高プロラクチン血症や甲状腺機能異常症によって月経不順、無月経、不妊を招く要因となっている可能性もあります。
低用量ピル(経口避妊薬)の副作用
低用量ピルの服用による避妊は、避妊効果を保ちながらも、ホルモンの含有量が最小限に抑えられているため、体への負担はそれほど大きくありません。
しかし、服用開始直後には、症状の程度に個人差があるものの、副作用が現れる事もあります。
低量用ピルに体が慣れるまでは、不正出血や嘔気、倦怠感、頭痛、乳房の張りなど、つわり(妊娠悪阻)と似たような症状が現れることがあります。
この様な症状は、低量用ピルの1シート目の1週目は全体で3分の1程度、3シート目になると、20分の1程度の確率で発生するとされており、通常の場合は、服用を続けることで徐々に症状は収まっていきます。
しかし、激しい嘔吐や下痢症状が長期間続くことで低量用ピルの成分をうまく吸収できなくなってしまい、避妊効果が低くなる可能性がありますので、その他の避妊法(コンドームなど)も併用した方が確実になります。
場合によっては、服用を一時中止するなどの適切な処置をとる必要があります。
そしてよく耳にするのが、低用量ピルの副作用によって体重が増えてしまうという声です。
結論からいいますと、低用量ピル自体に直接体重増加という副作用はありません。
しかし、ホルモンバランスの変化により、食欲が増加することがあるのは事実です。
また、副作用として体液やナトリウムが体内に溜まりやすくなるために、浮腫みや体重の増加がみられることもあることから、結果として低用量ピルの服用によって体重が増えてしまったという認識が多いようです。
その他にも、低用量ピルの服用によって、血栓症を起こすリスクがあるということもわかっています。
引用:http://tomoko-lc.com/
ここで言う血栓症とは、血液中のさまざまな原因によって血栓が形成されて血管を閉塞し、末梢の循環不全によって臓器障害を引き起こしてしまったり、形成された血栓が血流と共に流され、形成部位とは異なる部位において血管を閉塞してしまうことにより、臓器障害を引き起こす病気のことをさします。
低用量ピル(OC)の副作用の中でもっとも重大なものが、静脈血栓症です。
発生頻度は低いものの、発症すると命に関わる危険性もあります。
日本産科婦人科学会の見解によりますと、低用量ピル(OC)を服用していない女性の静脈血栓症の発症率が年間1万人のうち1~5人であるのに対し、低用量ピル(OC)を服用していると1万人あたり3~9人になります。
特に喫煙者、心臓、肝臓や腎臓に持病がある方、血栓症、脳卒中や心筋梗塞の既往歴がある方、乳癌、子宮癌の既往歴がある方、妊娠、授乳中の方、肥満の方などは低用量ピル(OC)の服用によって血栓症を引き起こす確率が高まってしまいますので、服用の際には医師と相談し、症状などに十分考慮して慎重に判断する必要性があります。
発症時期については、3シート以内が最も多いという研究結果もありますが、下肢の痛みや血色不良、急激な胸痛や頭痛、呂律が回りにくい等の症状がみられた場合には、すぐに医療機関へ受診してください。
低用量ピル(経口避妊薬)と副作用についてのまとめ
引用:https://news.mynavi.jp/
低用量ピル(経口避妊薬)は、現代女性の寝不足やストレスによる、月経困難症や月経周期の乱れにも幅広く用いられています。
副作用ももちろんありますが、使用の目的や副作用をきちんと理解したうえで、身も心も健康にピルと付き合っていきましょう。